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人力の道具で生木を削って小物や家具をつくる、グリーンウッドワークの講座を行っています。
これからの講座の予定は、下のメニューの「年間スケジュール」をご覧ください。

森工塾「ゴッホの椅子づくり」講座①(2月20日・21日)


ろうきん森の学校 森工塾
「ゴッホの椅子づくり」


森工塾「ゴッホの椅子づくり」講座①(2月20日・21日)
森工塾「ゴッホの椅子づくり」講座②(3月20日・21日)

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「ゴッホの椅子」とは、フィンセント・ファン・ゴッホによって描かれた絵画で、ゴッホが住んだ芸術家たちとの共同アトリエ「黄色い家」の部屋に置かれた椅子を描いたものです。

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絵をよく見てみると、脚などの木部にはいくつもフシのようなものが描いてあって、座面は何かの縄で編まれているようです。

この絵に出てくる椅子に似ていることから、日本で「ゴッホの椅子」と呼ばれるようになった椅子があります。

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スペインで日用品として昔から作られているもので、とても簡素でラフなつくりの椅子です。

フレームはポプラの木を生のまま、機械を使わずに手工具のみで一気に削って、接着剤も釘も使わずに組み立ててあり、座面はガマを縒って手編みしています。

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なぜ「ゴッホの椅子」が日本にあるのか。
その辺りの詳しい由来は、岐阜県立森林文化アカデミーの久津輪 雅先生の著書「ゴッホの椅子」に書かれています。

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この椅子に魅了され、日本に「ゴッホの椅子」を初めて紹介した陶芸家 濱田庄司は、当時の民藝運動のリーダーや各地の民藝館にこの椅子を寄贈しました。人間国宝の木工家黒田辰秋もその一人です。

黒田辰秋は宮内庁から椅子制作の依頼を受け、椅子の文化が日本にはないことから、椅子の文化を見ておきたいと、いまから50年以上も前にヨーロッパ各国を視察しました。

その際にかねてから「椅子の原点」として高く評価していた「ゴッホの椅子」の町、スペイン・アンダルシア州のグラナダ郊外の工房を訪れ、8ミリフィルムに撮影しています。

https://www.youtube.com/watch?v=WhpZahd_o0M

動画では、すでに仕上がっている椅子の脚を生木にあてがって、長さの見当をつけて切る様子や、手工具で数回削ってあっという間に加工し、組み立てる様子が映されています。
一脚の骨組みの仕上がりまで15分で完成させたという逸話も。

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前置きが長くなりましたが、いまも根強いファンが多く、民藝運動のリーダーたちを魅了したこの椅子を、昔の技法をそのまま再現して、4日間かけて制作するのがこの講座です。

まずは椅子づくり講座前半。2月20日、21日の2日間で、貫や背板、座枠など、椅子を正面から見た時に横のラインになる部材を削っていきます。

本場スペインではポプラの木が使われていますが、日本では身近な森からは手に入りません。

ポプラに代わる木としていろいろな木を試してきたのですが、曲がったり、ひび割れたり、硬かったり、なかなかいい木が見つけられずにいました。

試行錯誤するうち、美濃市近郊の山にも多く植樹されているヒノキを使うことにしました。
ヒノキは材が柔らかく割りいので椅子の材料としては最高です。

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今回は関市の洞戸で伐った、樹齢100年のヒノキです。
割ってみると…クサビを入れて数回ハンマーを当てただけで、素直にパカンと割れました。

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4分の1までクサビで割ったら、寸法を見ながら貫の木取りをしていきます。

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材料に恵まれたおかげで、真っ直ぐで削りやすい部材が用意できました。

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柔らかく使えない木表側(木の皮の方)をたくさん削り落としたいので、まずは木裏(木の中心に近い方)を銑で整えます。

ヒノキは柾目の方が削りやすいので、銑で柾目を削ると、シュルシュルとカンナクズのような薄い削り屑が出て、あたりはヒノキの香りでいっぱいになります。

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一面がきれいに整ったら、並行か直角の面を削って、図面に合わせた幅にします。
面がねじれないよう時々確認しながら削ります。

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治具を使って貫にホゾもつくります。
銑で仕上げの形までザクっと一気に削ります。

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ホゾは縦に長い長方形。これをドリルで開けた丸い穴に差し込むことで、抜けなくなるのです。

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貫や背板の形状は、鰹節のようなイメージで面と面で構成されていています。
貫のあたりは柾目なので、鉛筆のラインに合わせてパキッと割れてくれます。

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時々見本の椅子に立ち返って、形を確認しながら、黙々と削り続けて、合計8本の貫と背板3枚ができました。

続いて座枠4本も木取りして削り、座枠にもホゾをつけると、こんな感じに椅子の全体像が見えてきました。

最後に面取りをして前半の作業は終了です。

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おのちゃんのデモンストレーションでは説明しながらも1本5〜6分くらいでできちゃいましたが、はじめてだと形が頭に入っていないので、見本や図面と睨めっこしながら試行錯誤。

それでも何本も作業するうちに慣れてきて、だんだんゴッホの椅子らしいラインに削れるようになってきました。

ここまでできたら乾燥させるためにしばらくおきます。
後半はひと月後の3月20日、21日です。

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森工塾「ゴッホの椅子づくり」講座②(3月20日・21日)につづく

ばきちゃん(グリーンウッドワーク協会)
  1. 2021/02/23(火) 13:57:44|
  2. ┗ 椅子づくり
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